感情のジェットコースター!夕子さんの話
こんにちは!なぎさです!
私は普段穏やかで、めったに怒ったりしないのですが、今日は久々にキレかかりました。
いつも私や他の女性スタッフをつかまえて、
「◯◯ちゃん、今日もカワイイ!あれ、髪切った!?染めた?良い色じゃ〜ん!」
「◯◯さんて、鼻も高いし、とっても美人じゃない、絶対再婚できるわよ!」
「◯◯さん、若いし、カワイイ!も〜、みんなのアイドル!」
とわざとらしくおだててくれる、患者の夕子さん(仮名)。
夕子さんは、主病が統合失調症なんですが、とにかく一日の感情の変化が激しい。
まさにジェットコースター。
さっきまで泣きながら、
「ストーカーされています。どうか助けてください!お願いします!お願いします!」
と言っていたかと思いきや、次の瞬間には上機嫌になり、ケラケラ笑っている(誰とも喋っていないのに)。
今日は昼間暖かく、1階オフィスが暑くなってしまったので、上司が暖房から送風に切り替えていました。
すると午後、夕子さんがこわばった表情で、「なぎさちゃん、ちょっと来て」
と言い、医事課の空調のパネルを覗きこんで、
「今、何度になってる?」と怒っていました。
「何度と言うか、今送風モードです。」
と、私が言うと、「寒いから温度上げてもらえます?」と夕子さんは言います。
私は「いいですよ。」と言って暖房にしようとしましたが、1階全体が送風モードになってしまっていて、すぐに切り変わる感じじゃなかったんです。
「ちょっとやり方わからないんで、後で課長に聞いておきますね!(上司はランチ中でした)」
と笑顔で言いました。
でも夕子さんは、自分のフロアでも自身の主張を通すあまり浮いてしまい、毎日レクリエーションにも参加せず、関係ない人々を巻き込んで受付前で過ごすくらいの人です。
簡単には許してくれません。
「あなた、そんなこともできないんですか?
そういう大事なことはちゃんと上司に教わって、できるようにしておきなさいよ。
仕事を何だと思っているの?」
と言ってきました。
働いてもいない夕子さんに言われたくはありません。
それに患者さんの個々の要望を聞くのは、私の仕事ではありません(夕子さんにはスタッフは皆同じに見えてしまうのでしょう。とうてい分かりようもないでしょうが)。
私の仕事は、医事にまつわる仕事全般と外来患者さんのお会計です。
自分の決められたフロアで、一日中院内で過ごすタイプの夕子さんのお世話は、ケースワーカー、精神保健福祉士、看護師などのフロアスタッフのお仕事です。
なので、はっきり言いました。
「本来受付前は、夕子さんの過ごすところではありません。
寒いなら、ご自分のフロアにお戻りください」と。
夕子さんは、無表情なまま、無言で去りました。


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